【Chapter3】どうして病気になるの?

地盤の健康が悪化すると、建物の沈下を引き起こします。地盤の体質と体力によって、その「発症」の仕方は様々です。代表的な症例とメカニズムを見てみましょう。

広域地盤沈下

どのような現象?
広範囲にわたって地盤が沈下する現象です。
なぜ起こるの?
主に、地下水などを採取し過ぎるという人為的な原因によって地下水位(水圧)が大幅に下がり、表層地盤に対して働いていた浮力が失われます。その分、表層地盤が重くなって、その下の粘土地盤が圧密沈下を引き起こし、広域にわたって地盤が下がっていくわけです。
何が問題なの?
周辺地盤と建物との間で段差が生じるか、あるいは不同沈下によって、構造物や埋設物に損傷が生じた結果、資産価値が失われたりします。地盤が低くなることで洪水の危険性が高まるなど、災害に対して脆弱になることも考えられます。

切り盛り造成地での不同沈下

どのような現象?
建物が徐々に不均等に沈下していく現象です。
なぜ起こるの?
建物の荷重に対し、地盤の抵抗力が劣っている場合は、地盤が力負けし、沈下を起こします。沈下の程度に差が生じると、不同沈下と呼ばれます。造成地では、盛土と切土という強度・変形特性の異なる2つの地盤に基礎がまたがると、不同沈下につながりやすくなります。
何が問題なの?
基礎はもちろん、建物部分にもひずみが生じ、それがひび割れなどの損傷を生み出します。建具に隙間ができ、断熱・気密性が損なわれたり、居住者の健康が平衡感覚の異常によって害されたりします。

砂地盤での液状化

どのような現象?
地震時に地中の砂や水が地表に噴き出すのに続き、揺れが収まると、噴砂などによって土が地上に流出した分だけ地盤沈下を起こす現象です。
なぜ起こるの?
地下水位が浅く、緩い砂質地盤が地震の揺れを受けると、砂粒の配列が収縮しようとし、水圧が増すことから、水が砂粒とともに地表に噴き出します。その状態で揺れが収まると、水や砂粒が噴き出した分、地盤は沈下することになります。
何が問題なの?
建物は地盤とともに沈下し、地下の埋設物は水圧の上昇で浮き上がります。それらの損傷で資産価値が失われたりします。

谷埋め盛土の滑動崩落

どのような現象?
地山の斜面を大規模に覆う盛土が、地震や大雨をきっかけに滑ったり崩れたりする現象です。
なぜ起こるの?
盛土部分が下方に滑り出そうとする力が、それに抵抗しようとする地盤の力を上回るためです。普段は、抵抗しようとする力が上回るので安定していますが、地震や大雨でその力のバランスが崩れることがあります。
何が問題なの?
被害は広範囲にわたります。基礎が地盤から浮き上がったり擁壁が崩れたりするほか、建物と敷地全体がそのまま斜面を滑落することもあります。それまでとは敷地境界がずれるので、復旧も容易ではありません。

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