【Chapter5】診断で今後を見極める

「診断」では、法的に必要となる検討以外にロケーション(周辺状況など)の検討も欠かせません。
「地盤対策なし」のまま基礎工事に進むか、予防的な治療が必要かを見極める大事な場面です。

一次的な診断で心配ならば、地盤に対する「セカンドオピニオン」も

セカンドオピニオンの役割

診察内容に基づいて、どのような診断を下し、今後の治療方針をどのように立てるか。実はこれには、幾つかの道筋があります。

一つは、地盤の抵抗力を示す許容応力度という数値と基礎形式を対応させる考え方です。スウェーデン式サウンディング(SWS)試験で得た数値を、この許容応力度算出式に当てはめると計算できます。もう一つは、SWS試験で、深さ5mまでの個所におもりを載せただけで沈み込む層を確認できた場合、沈下などのおそれを検討するように求めるものです。そのような場合は地盤が軟弱であると考えられるわけです。

ところが、この2つの基準だけで的確な診断を下すのは難しいのが現実です。その結果、地盤対策工事が必要という安全側に傾いた診断になりがちです。ですから、この段階は一次的な診断と認識し、場合によっては別の専門家にも診断を求めるのが望ましいと言えます。医療で言われる「セカンドオピニオン」と変わりません。その方が余計な出費を減らせる場合もあれば、見落としていたリスクに気付く場合があるということも知っておきたいポイントです。

診断の流れ

ベタ基礎の強み
建物の土台を載せる立ち上がり部分と底の部分が一体化した形状。建物の荷重が基礎全体に平均して掛かるので、布基礎に比べて不同沈下しにくい良さを持ちます。ただし、コンクリートの量が多く自重がかさむので、軟弱地盤の層が厚い場合には沈下量が大きくなるおそれがあります。
  1. 地盤の抵抗力(算出値)を基準にする
  2. SWS試験での「自沈」の度合いを基準にする
  3. ロケーションを検討する

    上のチャートに示したように、地盤の許容応力度の区分で確実に地盤対策工事という「予防治療」を必要とするもの以外は、まず建物の自重による沈下や地盤の変形を考慮して沈下などのおそれを検討し、「予防治療」の必要な地盤だけを選び出します。そのうえで、「予防治療」の必要なしとの結論を得たとしても、ロケーション(周辺環境の状況と、それを踏まえた対象地の位置付け)を検討しておくことが重要です。不同沈下のリスクの大小とロケーションには密接な関連があるからです。

ページの先頭へ